何を書いても構いませんので@生活板65
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743: 名無しさん@おーぷん 2018/09/01(土)09:28:57 ID:BAb
東京出張の帰り一日が空いたので
新幹線に乗らず鈍行で帰って途中で「東田子の浦駅」で途中下車してきた

わざわざ降りたけど別にこの駅は観光地じゃないし特殊な駅でもない
ごく普通の田舎住宅地にある何の変哲もない田舎駅
俺にとっても16年前に一度立ち寄った駅というだけの駅だ

20180904-001

16年前……大学生の俺はラノベ作家志望だった
「文明崩壊で廃墟になった日本を旅する話を書こう」と決意して東京から九州まで取材旅行に行った
わざわざ新幹線で東京に行ってそこから「うつルンです」を片手に鈍行日本の写真を撮っていった
地域を代表する観光地とかではないごく普通の住宅地(の廃墟)を旅するのがリアルだと思って
ごく普通の駅で降りてはごく普通の風景を写真にとって帰った
全部で五泊六日くらいの旅だったと記憶している

現像した写真を眺めては「これが廃墟になったらどうなるんだろう」と夢想して作中の情景描写にした
その際に主人公たちが一泊したのが「東田子の浦駅」近くの民家だ
特に理由はない数ある写真の中で描写しやすそうなのがそれだったというだけだ
ほかにも色んな駅と町を回って撮って描写した筈だがどれも名前がついていないので忘れた

主人公たちはそこから伊良湖岬~鳥羽を経由して紀伊半島を横断し九州に到着した
大学生の俺はそんなラノベを投稿しそして二次通過し最終選考で落ちた
当時はまだラノベは自由というかフォーマットが完成しておらずそんなんでもそのくらいはいけた

744: 名無しさん@おーぷん 2018/09/01(土)09:29:13 ID:BAb
そして俺は大学を卒業した
俺は就職して資格を取ってそれでもラノベを投稿し一次落ちし懲りずに書いてその次は二次落ちしたりしていた
ラノベ世界はハルヒが出てきて賑やかになってレーベルがどんどん参入し間違って俺の四作目を末等に受賞させて出版させたりした
俺は何冊か出版した末に打ち切られ捨てられてまた投稿をして今度はどこにも引っかからず引退して
それらは全て一まとめの過去になって結婚してハルヒは途切れて子どもが生まれて更に数年が経過した
そして全部で16年が経過して今この現代になった

16年ぶりに駅の近くを歩いてみると色々思い出した
堤防の内側の森林道を写真にとりつつ「主人公たちにここを歩かせよう」と夢想していた事とか
駅近くの踏み切りを「これを宿泊所からの風景にしよう」と考えていた事とか

あの時の主人公たちはとっくに目的地に到達して
ラノベ作家志望だった俺は一瞬だけラノベ作家になって
そして俺はここにいて東田子の浦駅もそのままここにある

駅近くのラーメン屋で昼飯を食って帰った

おっさんになるのも悪くないなあと思った


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